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薬機法と化粧品の広告

化粧品ビジネスには関連するいくつかの法律が関わっており、主なものとしてはまず「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が挙げられます。

処方・製造の難しいものにも対応 やってみる姿勢

略して「薬機法(旧薬事法)」と呼ばれるこの法律は、化粧品の製造から販売にいたるまでを規制する日本国内の法律です。
こうした化粧品に関わる規制制度は国ごとに異なり、自国の消費者ニーズの多様化・利便性・安全性を確保しつつ、各国の規制制度との整合性をとったり緩和したりしながら運用されています。
ここでは薬機法について下記項目を解説します。

<目次>

1)薬機法における化粧品、医薬部外品の定義

私たちが市場へ提供する化粧品や医薬部外品についても、薬機法によりその定義が定められています。

処方・製造の難しいものにも対応 やってみる姿勢

薬機法では化粧品の定義として、

「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。」

とされています。(医薬品医療機器等法第2条第3項より)

また「医薬品」と「化粧品」の中間にあたるものに美白クリームやニキビローションのように「薬用化粧品」というものがありますが、これは薬機法では「医薬部外品」カテゴリーにあたるものです。
薬用化粧品では、化粧品として期待される効果に加えて肌あれ・にきびを防ぐ、美白、デオドラントなどの効果を持つ「有効成分」が配合されています。
化粧品、医薬部外品の効能効果については、厚生労働省よりその範囲の基準が示されており、製品表示や広告表現なども基準に沿った内容であることが求められています。

2)化粧品の効能効果の範囲

化粧品の表示や広告において訴求できる効能効果は下記56項目の範囲とされています。

化粧品の効能の範囲の改正について(厚生労働省医薬食品局長通知)

(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。

(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。

(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。

(4) 毛髪にはり、こしを与える。

(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。

(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。

(7) 毛髪をしなやかにする。

(8) クシどおりをよくする。

(9) 毛髪のつやを保つ。

(10) 毛髪につやを与える。

(11) フケ、カユミがとれる。

(12) フケ、カユミを抑える。

(13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。

(14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。

(15) 髪型を整え、保持する。

(16) 毛髪の帯電を防止する。

(17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。

(18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。

(19) 肌を整える。

(20) 肌のキメを整える。

(21) 皮膚をすこやかに保つ。

(22) 肌荒れを防ぐ。

(23) 肌をひきしめる。

(24) 皮膚にうるおいを与える。

(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。

(26) 皮膚の柔軟性を保つ。

(27) 皮膚を保護する。

(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。

注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。

3)医薬部外品の効能効果の範囲

医薬部外品カテゴリーの「薬用化粧品」は厚生労働省に申請し、承認を受けることで化粧品の56項目の効能効果に加えて有効成分の効能効果を訴求することができます。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(厚生労働省医薬・生活衛生局通知)

薬用化粧品の効能・効果の範囲
種類
効能・効果

1.シャンプー
ふけ、かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。
毛髪・頭皮を清浄にする。
毛髪・頭皮を「すこやかに保つ。」「しなやかにする。」二者択一

2.リンス
ふけ、かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。
毛髪の水分・脂肪を補い保つ。
裂毛・切毛・枝毛を防ぐ。
毛髪・頭皮を「すこやかに保つ。」「しなやかにする。」二者択一

3.化粧水
肌あれ。あれ性。
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
油性肌。
かみそりまけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える

4.クリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用油
肌あれ。あれ性。
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
油性肌。
かみそりまけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。
皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ。

5.ひげそり用剤
かみそりまけを防ぐ。
皮膚を保護し、ひげをそりやすくする。

6.日やけ止め剤
日やけ・雪やけによる肌あれを防ぐ。
日やけ・雪やけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)
皮膚を保護する。

7.パック
肌あれ。あれ性。
にきびを防ぐ。
油性肌。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
肌をなめらかにする。
皮膚を清浄にする。

8.薬用石けん(洗顔料を含む)

<殺菌剤主剤>(消炎剤主剤をあわせて配合するものを含む)
皮膚の清浄・殺菌・消毒。
体臭・汗臭及びにきびを防ぐ。

<消炎剤主剤のもの>
皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。

(注1)作用機序によっては、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」も認められる。

(注2)上記にかかわらず、化粧品の効能の範囲のみを標ぼうするものは、医薬部外品としては認められない

また、デリシアスエーシーでも製造実績の多い品目である「育毛剤(養毛剤)」も医薬部外品カテゴリーのひとつです。育毛剤の効能・効果の範囲としては、「育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛」となります。

4)「製造業」と「製造販売業」

日本で化粧品を製造し、市場に流通させるには「製造業」及び「製造販売業」のふたつの行政の許可が必要です。
それぞれの許可の範囲を簡単に説明します。

「化粧品製造業」

化粧品の中身を製造し、容器への充填、パッケージ包装などの製造行為を行うことができる許可で、製造所所在地の都道府県薬務課で許可を受けます。この許可では、製品を作ることのみ許可されますが、市場に製品を出荷する事はできません。

「化粧品製造販売業」

一方、製造された製品を市場へ出荷するための許可が与えられているのが化粧品製造販売業です。

製造販売業者は、製品を製造(包装・表示・保管のみを行う場合を含む)することはできませんが、製造業者が製品を業界基準に則って正しく製造しているかを評価し、品質のチェックを行った上で市場への出荷に対する責任及び、出荷後の安全管理責任を負います。 製造販売業も製造業と同じく都道府県薬務課の許可を受ける必要があります。

デリシアスエーシーでは、化粧品、医薬部外品ともに製造業、製造販売業の許可を持っていますので、お客様側で製造販売業の許可を取得していただく必要はありません。 もちろん、製造販売業の許可をお持ちのお客様へはデリシアスエーシーが製造業者として開発・製造を受託することも可能です。

詳しくはこちらのページもご参照ください。
「化粧品OEMってそもそも何?」

5)広告の定義

薬機法において、下記の3つの要件を満たす場合「広告」とみなされます。

  • 顧客を誘引する(顧客購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
  • 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
  • 一般人が認知できる状態であること

薬事法における医薬品等の広告の該当性について
(平成10年9月29日医薬監第148号都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省医薬安全局監視指導課長通知)

言い換えると「誰もが見聞きできる状態で、特定の商品名を示して購買意欲を促す」行為はすべて広告とみなされます。

対象となる広告については、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト、ブログ、電子メール及びSNS、電話、ダイレクトメール等の郵便物、新聞折込みチラシ、販売促進ツール等、一般消費者(生活者)向けの広告媒体すべてです。学術的な研究報告であっても、それが一般消費者に公開され、広告としての要件を満たしている場合は対象となります。

さらに、店頭などでの口頭(セールストーク)であっても広告の3要件を満たしていれば、やはり広告とみなされますので、書いたもので残らないものはOK、とならないことにも注意が必要です。

また、化粧品の表示や広告については「不当景品類及び不当表示防止法」(いわゆる景表法)に基づく「化粧品の表示に関する公正競争規約」も定められています。

化粧品の表示に関する公正競争規約(化粧品公正取引評議会)

これらの法令を遵守しつつ、適正な広告をすることが求められています。

6)違反広告の例

代表的な違反広告の例をいくつか挙げてみます。

処方・製造の難しいものにも対応 やってみる姿勢

化粧品の効能効果の範囲を逸脱したNG表現例
  • シワやタルミを予防、改善します(メーキャップ効果で「小じわを目立たなくさせる」は事実であれば可)
  • ボディラインをキリっと引き締めるスリミングジェル
  • シミがポロっと。。。
  • まつ毛の育毛
  • 老化を防ぐ
  • 肌本来の力を取り戻す
  • 治る、治療する、蘇る、再生、デトックス等の医療的表現
  • 肌の深部へ浸透(浸透は角質層まで可)
成分およびその分量、成分の本質についてのNG表現例
  • 生薬エキスたっぷり
  • 医薬品成分配合
  • 有効成分〇〇を配合(医薬部外品の主剤でない場合)
  • ヒアルロン酸配合(特定成分の表現においては配合目的を記載する必要がある)
  • 無添加なので安心(何が無添加なのか表示し、かつ安全性などを保証しないこと)
用法用量についてのNG表現例
  • 〇〇ローションとの併用により、うるおい力が更にUP!
  • 敏感肌専用のクリームです(特定の肌向けであることを強調し効能効果及び安全性などに事実に反する認識を与えるおそれ)
効能効果や安全性の保証についてのNG表現
  • アトピーや敏感肌でも安心
  • 植物由来成分でできており、安心して使える
  • 臨床データや実験結果、使用前後の写真などは原則として表現できない(メーキャップでの物理的変化や爽快感などの使用感については可)
最大級表現のNG例
  • 世界一の〇〇
  • 世界初の〇〇
  • 究極の〇〇
  • 極めて〇〇
他社ひぼうや比較表現のNG例
  • 一般の化粧品はまだ〇〇ですが。。。
  • 多くの化粧品と比較して当社の化粧品は〇〇です!
    (比較を行う場合は自社製品の範囲で対象製品を明示して行うのは可)
医薬品関係者等の推薦の禁止
  • 皮膚科医師〇〇先生が開発した製品
  • カリスマ美容師も推薦
  • 〇〇大学と共同開発

これらの例は違反しがちな表現例のほんの一部です。

化粧品等の具体的な適正広告の詳細については、日本化粧品工業連合会(現日本化粧品工業会)のとりまとめた「化粧品等の適正広告ガイドライン」にまとめられていますので併せてご参照ください。

化粧品等の適正広告ガイドライン(日本化粧品工業会)

処方・製造の難しいものにも対応 やってみる姿勢

たとえ広告であっても薬機法に違反すると最悪の場合逮捕され処罰の対象となります。また、景表法では広告主が処罰の対象となる一方で、薬機法については広告に関して「何人も」対象となりえます。 虚偽誇大広告に関しては販売額に応じた課徴金が課される場合もありますので、これらの法令を遵守しつつ魅力的な表示や広告を作成することが化粧品ビジネスの課題でもあります。

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